アメリカセミナー旅日誌
SOTAI SUMMIT2 Day1,Day2。そこで感じた治療業界における日本とアメリカとの6つの違いとは?アメリカセミナー旅日誌VO.3
アメリカでも広がる日本発祥の「操体」 | SOTAI SUMMIT2 Day1,Day2。そこで感じた治療業界における日本とアメリカとの違いを6つ書いていました! |
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今回のブログでは、2018年9月8,9,10の三日間にわたり、アメリカのコロラド州ボルダーにあるサウスウエスト鍼灸大学で開催された「SOTAI SUMMITII」の1日目と2日目について書いていきたいと思います。
とその前に、「SOTAIって何?」
と思われる読者もいらっしゃると思うので、
少し解説をさせてください。
「SOTAI」とは日本語では「操体」と書きます。
操体は仙台の医師である故・橋本敬三先生が
東洋医学や日本古来の民間療法などを研究して
操体は仙台の医師である故・橋本敬三先生が
東洋医学や日本古来の民間療法などを研究して
考案した治療法であり、生命感や哲学です。
私はこの操体を専門としていて、かれこれ
学びはじめてから12年が経ちます。
学びはじめてから12年が経ちます。
操体は日本発祥のものなので、これぞまさに
日本医学と呼んでも大げさではありません。
日本医学と呼んでも大げさではありません。
この操体をアメリカで普及されている先生方が
集まり、それを学びたい全米の治療家に教える。
集まり、それを学びたい全米の治療家に教える。
それが「SOTAI SUMMIT」なのでした。
講師陣の中には、アメリカの東洋医学の世界ではリーダー的な先生が多数いらっしゃり、とても豪華。
参加者はニューヨーク、シカゴ、ボストン、ミルワキ、フロリダ、ニューメキシコ、コロラド、シアトル、アリゾナ、アラスカ、モンタナ、コネチカットなどなど30名以上全米から参加。とても熱気のあるセミナーになりました。
私の講義はサミットの3日目で、それまでの2日間は参加者が練習している時にサポートしたり、写真やビデオを撮影したりしていました。
印象に残った日本とアメリカとの違いはいくつかあって、興味のある方もいらっしゃると思いますので、これからピックアップしてご紹介していきますね。
とにかく参加者の質問が積極的!
日本でセミナーをすると、
「何か質問はありませんか?」
と参加者に聞くと、チラホラ質問があるぐらいで
静かなことが多いのですがアメリカはその真逆。
質問の時間外でも質問が出るわ出るわで、
とても積極的。
さらに質問だけでなく、講義の感想をその場で
伝えたい人がいたりと、自己表現に意欲的でした。
そんな感じなので、どこかで区切らないと
Q&Aや意見交換の時間でタイムオーバーになる勢い。
アメリカの講師陣曰く、
「日本とアメリカを足して2で割ったらちょうどいいかもね」とのこと。確かにそうかもしれません(笑)
体型の違いで独自の発展
アメリカは多民族国家。
このことを今回の渡米で実感しました。
これは知識としてはもちろん知ってはいたのですが、それは知識であって実感ではありませんでした。
セミナーには黒人、白人、日系などなど、多種多様な人種の方々がいて、共通言語として英語を話す。
体型も大小のちがいの幅が広く、大きい人は本当に
大きいです。
空港でもよく見かけたのですが、どんな生活をしたらこんな体型になるんだと思うような破格に太った人がいて、もう肥満の基準がちがいます。
なので、アメリカで普及している操体は大きい体型の患者さんでも対応できるような補助の仕方が印象的でした。
動きに呼吸を合わせた操体
操体の特徴、それは負担のかからない動きで
全身のバランスを短時間で整えられることです。
また、昔に出版されている操体の指南書には、
呼吸に合わせて動くよう書いてあるのですが、
実際にかつて橋本先生が臨床でされていた治療は
呼吸をそこまで患者さんに意識させておらず、
本と実際の現場ではギャップがあります。
アメリカで広がっている操体は、動きに呼吸を
合わせることを重要視していたので、そこは
日本とちがうなと思いました。
これはどちらが正しいというわけでなく、
ケースバイケースで使い分けるといいと
私は思っています。
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ライセンス更新制度
アメリカでは、鍼灸やマッサージの
ライセンス更新制度があります。
州によって制度は多少違うらしいのですが、
ライセンスを更新するには所定された時間、
講習に参加して勉強する必要があります。
その講習はいくつもある講義の中から
選ぶことができるそうです。
今回のサミットの1日目と2日目は、
ライセンス更新の講習としても認められて
いました。
日本では国家資格を取得すれば、とくに
更新をするために所定された時間の講習を
受ける必要はありません。
なので、ペーパー免許の有資格者もたくさん
いますし、免許取得後にどれだけ勉強するかは、
個人の選択にゆだねられます。
有資格者の質を安定させるのには、
アメリカのようなライセンス更新制度は
参考になるのではないかなと思いました。
精神疾患へのニーズ
アメリカはメンタルヘルス障害の有病率が
高いことで知られています。
講師メンバーの一人であるボブ先生が講義した
「Yin SOTAI」では、PTSDなどのトラウマを
抱えた患者さんに対応する操体を紹介していました。
内容はトラウマで緊張しているからだに対して、
とてもソフトなタッチで治療をしていく方法で、
私もさっそく取り入れて使っています。
アメリカは複雑な家庭環境の中で育った人や、
帰還兵のメンタルヘルス問題など、日本以上に
精神疾患へのニーズが高いことを改めて実感。
東洋の禅に惹かれる西洋人が多いのも
うなずけます。
日本ではどちらかというと、西洋から
入ってくるメンタルヘルスの本がよく売れて
いますが、
日本にも古来からあるすばらしい調心法が
たくさんあります。
そして西洋にはそれを求めている人々が
大勢います。
身近にある宝物を少しずつでもいいから、
海の向こうに届けていきたいと思ったの
でした。
歪みの発生 Roots&Flower
アメリカでは人間の体を植物に例えて、
下半身をRoots(根っこ)、
上半身をFlower(花)と
表現していました。
「元気のない花は、花びらをどうにかする前に
根っこに水をあげるでしょ。人体も同じで、
首や肩がつらい時でも、植物の根っこにあたる
下半身にも異常があるから、まずは根っこから
治療をスタートしましょう。」
と、人体の歪みの発生について解説を
していました。
この表現はとてもイメージしやすく、
患者さんにも伝えやすいので、素晴らしいと
思いました。
私も帰国後、さっそく「Roots&Flower」を
患者さんに説明する時に使っています。
やっぱステーキでしょ!
2日間のサミットが終わった後は、
講師陣と参加者とレストランで食事をして
交流を楽しみました。
どのメニューを頼もうかスタッフの
アーランドにたずねると、
「ヒロ、そりゃコロラドといえば
バッファローステーキの一択だよ!」
とのこと。
というわけで、アメリカらしくステーキを
パクついて、いよいよ翌日の私の出番に
そなえたのでした。
ステーキのお味はどうでしたかって?
肉の味がしっかりして、たいへん美味しゅう
ございましたよ(^^)
台風の手痛いジョーカーは引きましたが、
食の方は意外にもジョーカーはなく、
大満足でした。
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2018年6月イタリアセミナー滞在記はこちら!
・イタリア滞在記2018 vo.1 「出国、愛しの街トリノ、操体セミナー」
・イタリア滞在記2018 vo.2 「美しいピエモンテ州。ガイドブックにのっていないイタリア」
・イタリア滞在記2018 vo.3 「イタリアの指圧スクール訪問、最後の夜」