エッセー
合格通知
先月3/28、厚生労働省のホームページで鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師
の国家試験合格発表の速報がありました。
僕は今年2/24にあん摩マッサージ指圧師国家試験を受験。
合格速報を確認をすると、自分の受験番号があり、ホッとした安堵感で全身の力がぬけました。
実は僕が確認をするよりも早く、父がすでに確認をしていて、お祝いのメッセージが届いていました。
なので、合否はわかっていたのですが、やはり実際に自分の目で受験番号を見ると、実感がわいて、何だか長い間背負っていた荷物をやっとおろせたような、そんな気持ちになりました。
というのも、このメルマガの読者さまにも国家試験を受けることをメルマガでお知らせしていましたし、去年より国内外から大きい仕事のオファーをいただいた時に、
「国家試験が終わってからなら大丈夫です」とお返事をし、去年の秋の段階で、今年の9月まで仕事の予定がすでに入っている状況。
万が一落ちた場合、とてもじゃないけど受験勉強に集中できるようなスケジュールじゃない・・・。
だから「何が何でも合格しなくては」という気持ちがずっとあったのでした。
幸いなことに、2月の段階で自己採点の結果は合格ラインの6割を上回る8割の点数を取れていることがわかっていたので、心配の度合いはまだマシだったのですが、
「マークシートの記入ミスをしていなかっただろうか・・・」
「名前はちゃんと書いていたかな・・・・」
なんてことを考えると、完全に安心することはできませんでした。
ちょうど合格発表があった日は桜が満開で、免許の申請をしに行く道すがら、桜並木が脱力したからだをふわりとやさしく包み込んでくれるような、そんな心地になりました。
実は今回の国家試験のふたを開けてみると、僕が受験したあん摩マッサージ指圧師もそうですが、鍼灸師、柔道整復師も合格率が今までの歴史の中で一番低く、むずかしい試験でした。
治療家が増えすぎているので、その調整のため試験を年々むずかしくしているのだろうという話も聞きますが、なぜむずかしくしているのか、国がしようとしている本当の意図はハッキリとはわかりません。
ただハッキリとわかっていることは、試験に落ちてつらい気持ちで桜を見ている人がいたということ。
僕の場合、今回の試験は無事に合格できましたが、大学受験のときは全滅で、見事に全て桜散る。
そもそも当時は、実家を出たい願望はあれど、一番したかったことは音楽活動。
中高一貫教育の進学校へ通ってはいたものの、大学で勉強したい気持ちはほぼ皆無で、受験勉強はやる気なし。
さらに鬱とパニック障害、慢性的な肩甲骨間のダルさと痛みで毎日がツラく、目先の進路よりも、そもそも生きている意味が何なのか自問自答する日々。
受験勉強そっちのけで、大槻ケンヂや中島らも、江戸川乱歩、太宰治などの本を読みふけり、
「人はなぜ生きないといけないのだろうか」
「人生とは何なのか」
「なぜ自分は生まれてきたのだろうか」
何てことをひたすら考えていて、先が見えない高校三年生でした。
(こんなことばかり考えていたので、倫理の偏差値は異常によかったです笑)
おまけに学校ではトイレでタバコを吸っているところを教員に見つかり、高三の受験を控える学年で自宅謹慎。謹慎中は暇なので、自宅でタバコを吸っていると、吸殻の不始末でゴミ箱から煙がモクモク玉手箱。自分の部屋から親の部屋まで煙が行き渡り、何事だとボヤ騒ぎ。
最後に受験願書を出した大学は、親が前泊するためにとってくれた大阪のホテルに宿泊したものの、寝坊して受験会場には行かず、楽器屋に行ってギターを弾いていた始末。
高校は卒業したものの、当時はうららかな伊勢の春が、灰色の景色にうつっていました。
その後の展開は書くと長くなってしまうので省略しますが、
親にはたくさん心配をかけました。
そんな僕の黒歴史があるからでしょう。
父は心配で、今回の合格速報を真っ先に確認してくれたのだと思います。
昨年12月に亡くなった医師をしていた妻の父も、意識が混濁するまで僕の試験のことを心配していたそうなので、どうぞ安心して天国でお酒を嗜んでくださいね。
とにもかくにも、ツラかった高校時代の心身の症状が後にきっかけとなり、今している仕事をすることになったので、人生肥やしにならないものはないなと思っています。
人の人生は光と影があり、
日々の中にも嬉しいこと、つらいことがあります。
いいことも嫌なことも、目を背けずにしっかりあじわい、
時には立ち止まり、でもまた一歩ずつ進んで。
そんなことをしていきながら人の人生は深まっていくのかな。
なんて思います。
さあ、いよいよ4月。
あなたはどんな気持ちでお過ごしでしょうか。
前向きに前進している人。なかなか前進できない人。
人それぞれだと思います。
僕は仕事を通じて、あなたの人生を少しでも豊かにできるお手伝いができれば嬉しく思っています。